2005年05月04日

アメリカンアイドルがやってきた

全米のお茶の間で注目の的の番組といったら、コレ! アメ リカンアイドル
(お茶の間ってのは無いか、こっちの家には(^ ^; )

いわゆるアメリカ版、スター誕生(最近はアサヤンか?)なのだが、規模も注目度も桁外れ
会社でも、オバちゃんたちが井戸端会議で、誰がひいきの来週は誰が落ちるのうわさ話で
もちきりである。


今残ってる最終候補者たち

毎年、全米から歌自慢の数万人の応募があり、数多くの予選を経てファイナリスト12名が選ばれる。
(予選の経過なども紹介があり、完全に勘違いしてるおっさんとかおねーちゃんが、へべれけな歌を
歌って落とされ、逆ギレするシュールなシーンなども放映(^ ^; )

選ばれた12名は、毎週生放送で、歌を歌い(火曜日の8時 FOX TV)その結果を見て、アメリカ
国民が投票を行い、翌日水曜の夜の放送で、一人が落とされる。
これを繰り返し最後に残った一名が優勝して、アイドルとしてデビューする。

会場には審査員がいて、ファイナリストのパフォーマンスを見て、率直なコメントを述べる。
レギュラー審査員のSimonは特に毒舌で、容赦ない口撃を浴びせる。(これがすごい)
一方で、すばらしいパフォーマンスの時には賛辞を惜しまない。誠にストレートな表現だ。
(審査員が、自分のひいきの参加者が落ちたときに涙することもあり・・・)

しかし、審査員の論評は投票には直接関係なく、誰が落ちるか残るかを決めるのは、あくまでも
国民投票なのだ。(火曜の放送終了後から、電話などで投票を受け付ける)
ここがミソなのである。

かくして、アメリカ中の老若男女が自分のごひいきに投票を行い、毎週その動向を一喜一憂しながら
見守る、参加型番組として人気を博している。
なにか、自分がアイドルを育てているかのような感覚になるんでしょうな。。

一方で、この国民投票にはいろいろ問題もあるらしく、過去組織票と思われる不自然な票や、人種差別
のような挙動があったりで、社会問題になりかけたこともあったとか・・・

新聞などでも、毎週の予想や結果に対する論評が載るほどの社会現象と化している。

ところで、アイドルと名前がついた番組だが、ファイナリストたちはいずれ劣らぬ、実力派シンガーであり
その歌唱力はすぐにでも、デビューしてもおかしくないほど。
実際、最後の一人にならなくても人気者になり結果的にタレントになっちゃう人もいる。
毎週いろいろなテーマの歌を歌うのだが、ジャンルによって得手不得手があったり、そういったところも
見所のひとつである。

副隊長や隊員Aもこの番組が大好きでよく見ている

終了後、電話で投票を行う隊員A

隊員Aは、アンソニーを応援しているが、毎週のパフォーマンスの結果を見て、微妙に投票を変えている(^ ^;



さて、そんなある日会社を終わって帰ろうとすると、会社のおっちゃんが興奮気味に
「大変だ!近所のショッピングモールにアメリカンアイドルが来るそうだ。早く帰って家族でいかなくちゃ」
とまくしたてた。
そりゃいいことを聞いた!
さっそく家に帰って、隊員Aを連れ、ルーズベルトフィールドに突撃する

店内に入ると、きゃあという歓声が聞こえてきた。
そちらの方向へ走っていってみると、、、
 
をわ! すごい人だかり!! 若者の熱気でむんむん(死語)

小さなステージがあり、昨年のファイナリストや最近惜しくも落ちてしまった、Mikalahが 出てきて
トークショーやゲーム、集まったお客さんからの質問コーナーや、歌などを披露していた。

Macy'sの前の広場でやっていた
 


最後の最後に、Mikalah登場!
 

隊員Aも大喜び!
若干17歳の高校生とは思えない貫禄で観客を盛り上げる
歌も上手いし可愛い!

ん〜かなり得した気分(^ ^; ヒデキ感激!!(死語)


最近では、すっかり会社の井戸端会議に加わって、誰が落ちるの残るの語る日々である(^ ^;
そんなある日、とあるオバちゃんに「今週は誰が落ちるかな?」と聞いたところ

「あら、アンタ そんなの見てる場合じゃないわよ。時代はAPPRENTICEよ!」
とのたまう

THE APPRENTICE

和訳すると「見習い」という意味だが、この番組がアメリカンアイドルのビジネス版として
これまた大人気なんだな。木曜の夜9時から4chで放映中

全米からこれまたオーディションで選ばれた18名が、毎週2チームに別れ、地上げ王トランプ氏(ご本人出演)
からビジネステーマを与えられ、競いあい、負けたチームの中で誰かがトランプ氏より「クビ」を宣告され
一人、また一人と減っていく。

最終的に残った1名が、トランプ氏から年収2000万円以上の社長職を実際に与えられるという
アメリカンドリームな番組である。

番組の最後に、トランプおじさんが You are fired! (オマエ、クビ!)とキメせりふを言うのが
一種の流行語になっている。


毎週与えられるビジネスゲームは非常に本格的なもので、子供のおもちゃの企画から、ある条件下で
ピザを売る競争、新車のプロモーションなど、多岐に渡り、しかも常に本物の企業の協賛のもとで
ホンモノを使って行うので迫力がある。

各チームは、必ずプロジェクトマネージェーが任命され、彼・彼女の指揮下で隊員達が企画を練り
マーケティング策を作り、実行していく。

この様子が、実にテンポよく進み面白い。
アメリカのビジネス慣習や考え方を知る上でも大変興味深い。よくできた番組だ。

勝ったチームは、トランプ氏からご褒美を与えられ、スイートルームでの食事や、プロバスケット選手と
おたわむれになったりする。負けたチームは、役員室に呼び出され、各チーム員が敗因を述べさせ
られたあげく、トランプ氏から一人クビを言い渡される。

この時の、チーム員同士の言い訳合戦や、責任のなすりつけあいがすさまじく、をいをい、そこまで
やるかよ!という感じなのだ。このシーンのドロドロが人気の秘密という話もある(^ ^;

トランプ氏はその様子を見ながら、プロジェクトマネージャーのリーダーシップに言及したり、はたまた
とあるチーム員の判断や、行動の悪さ、チームワーク、マネージメントについて論評を述べる。
たまに、話が脱線することもあるが、なかなか的を得たコメントであることも多い。

新聞やマスコミでも、時々この番組を取り上げ、トランプ氏の判断は正しかったのか?などの論説が
あったり、またMBAの学習教材として取り上げられることもあるという。


You are fired!

でたがりの、トランプおじさん 本業のほうは大丈夫なのけ??
てゆーか、このおじさんのヘンテコな髪型のほうが、気になる今日この頃ですが・・・


ドロドロの責任のなすりつけあいが「これぞアメリカ」と思わせる節もあるのだが
こんなことが日常茶飯事かというとそうでもない
(もちろん日本に比べると、はるかにそういう傾向は高いのですが・・・・)

会社の人に聞いてみると、案外
あそこまでは、出来ねーよとか なんか醜い争いばっかりで見るの嫌になっちゃったワ
という人もいる。

やっぱりエンターテイメントということか 


さて、両番組に共通する事にお気づきだろうか?
最終的に残る勝者はたった一人、その影に何名もの脱落者が存在し
じわじわと、脱落シーンをしつこく描いていくのだ。
勝者をたたえるよりも、実は敗者の不幸をお涙シーンとともにカメラが追うシーンが圧倒的に多い

他人の不幸は蜜の味?とばかりなコンセプトワークだが
実は、この手法の元祖は、ニッポンの「アメリカ横断ウルトラクイズ」だと聞いたことがある。

確かに、まったく同じだな
膨大な脱落者をじわじわと描き、敗者の涙までもカメラが追う

この手法をアメリカのTV業界が頂戴したという説を聞いたことがある



結論: 井戸端会議は日米同じ(^ ^;


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